「私、産めなくて・・・」

「何を言っている
産んだじゃないか
こんな可愛い俺たちの子を」

「でも女の子で…」

「嫁に出すのが今から憂鬱だな」

ロバートは、赤ん坊の手をツンツンと突いている

「私、男子を…」

「気にしすぎなんだよ
俺は絶対に男を産めと言ったか?」

私は首を横に振る

「だろ?
俺はどっちだっていいいんだ
俺とイザベラの子なら、男だろうが女だろうが構わない」

にぃっとロバートが笑う

私はほっと肩の力を抜いた

「しっかし小さいなあ」

ロバートが赤ん坊を見つめた

「母の出産に何度か立ち会ったが…こんなに小さくて怖いってイメージがなかったぞ」

ロバートが私の腕の中にいる赤ちゃんを、自分のほうに引き寄せた

「俺、父親になったんだな」

ぼそっとロバートが呟いた

「頑張らないと、な」

ロバートは、己の腕のなかにわが子を愛おしそうに抱きしめた