「一番は、イザベラだ」

「そう言って、ジェイミーのもとに行くのでしょ?」

「まいったな」

俺は首の後ろを掻いた

まるで、浮気をしている男のような気分だ

「イザベラから手紙を書かなくていい
ジェイミーには、俺から手紙を書く
あいつは暗殺集団にいた
それはハイランドの全てを、俺は手にしていないという証明だ
イザベラと結婚をして、ハイランドへの橋は繋がっている
あとはどうやって俺を信頼できる人間であるか…を知ってもらうか、だ」

「私には難しい」

「難しくないだろ
ハイランド貴族一人ひとりの好みを俺に教えてくれよ」

「私、ロバート様のお手伝いができるの?」

ぱっとイザベラの顔が明るくなった

「『ロバート様』?」

「あ…えっと、その…ろ、ロバートのお手伝いが…」

イザベラの頬がまた赤くなった

恥ずかしそうに、頬を爪で掻いた

「ああ、手伝ってくれ
ハイランド貴族について、イザベラがいないと俺にはさっぱりだからな」

「私、頑張ります!」

「ああ、頼む」

俺はイザベラの頬にキスをした


イザベラが俺の隣にいる

それだけで、俺は幸せになれる

必ず、王になれる気がしてくる

今は、誰にも負けないパワーが体中から湧き上がってくるんだ