舞台に立たないあたしは
幕を開けてマイクを渡した

「ありがと、姫」


「第5回、星華学園、【君のために】」

なんか良い気分
自分の作品が県大会で披露
できるなんて

別の部屋のモニターで
観客の様子を見る

「すごい見入ってるね」

『だね、泣いてる人居るし』

泣いてる人を見ると
ずごく嬉しくなる

『って
なんで遼が居るの?』

隣に座って一緒にモニターを見ていた