「今夜は夏祭りでしょ。だから ゆかたを着たの」と私は目をあわさずに言った。

「あっ、そっか! 今夜は夏祭りか。…いいね」

「いいよ」

「…僕も
 行ってみようかな?」

「そうしなよ」
と私は言う。胸はドキドキ。めまいがする。お願いです王子さま、はやく立ち去ってください、私は倒れそうです。
「ぜったいに行くべきだよ。夏祭りはいいよ」

「いいかな?」

「いいよ」

「ほんと?」
と王子さまが笑う。
「迷惑じゃない?」

「迷惑……?」

…迷惑って?

え、え、ええっー?
私と行く気かよ、
この人は!!!

「友達と待ち合わせ?」と王子さま。

「うん … ううん …
友達、来られなくなっちゃって」

「じゃあ二人で行こう」と言って王子さまは歩きだす。私もあわててついていく。

ええっーーーー !?
いっしょですかあ!?
2人きりですかあ!?

なんなの、これ?
どうなってんの?

ユッコと行くはずだった夏祭り。なんで王子さまと2人きりになちゃうのよ!?