「ずっと不思議だったの。」


あたしは、少し目を大きくして、絵梨に視線を向ける。



「だいぶ前のことだけど、

1度、グラサンかけたイケメンの子が、笑佳のこと、校門前で待ってたことがあったでしょ?」



校門前………



たしか、あたしが襲われかけて、雄哉くんたちが助けてくれた、その次の日だ。




「あのとき、なんか見覚えがあると思って、あたし、あんなかっこいい子と知り合いだったか考えてみて…


でも、もちろん心あたりはなくて

結局、未解決のままだったんだけど…」



絵梨は、なんだか嬉しそうに微笑んだ。




「昨日、笑佳と王子の姿見つけて、そのことを思い出して、ひらめいたんだよねっ」




絵梨は、今日1番のとびきりの笑顔を見せた。