あたしが頷くと、絵梨はできるだけ人気のない教室の端のほうまで移動した。 「笑佳、彼氏いるんだよね?」 「あ、うん。ごめんね、黙ってて。」 「ううん。」 それが本題じゃないという感じで、絵梨が首を振る。 「笑佳、誰にも言わないから正直に答えてね?」 「……え?」 何の話だろうと、ごくりと生唾を呑んだ。 「その彼氏って…… あの、雄哉…?」 心臓が大きく波打った。 背中に冷や汗を感じた。 なんで ばれちゃった…?