「やりたいこととかはないの?」
「んー…やりたいっていうより、大学に行けたらいいなって感じだったから」
でも成績的に、とても無理だったし。
見ると雄哉くんは、なぜかプリントに何か書いている。
「え、何…」
雄哉くんはペンを置いて、悪戯な笑顔であたしを見た。
第一希望の欄に書かれたその文字にびっくりして、あたしも雄哉くんを見た。
「高瀬笑佳になる。」
雄哉くんが、自分の書いた文字を声に出した。
…それって……
それって…
プロポーズになっちゃうじゃん!!
「…あれ。嫌?」
何も言えずに固まっていると、雄哉くんが顔を覗き込んでくる。