――「コーヒーでいい?」
「うん、ありがと」
キッチンで、2つのマグカップにそれぞれコーヒーを淹れる。
「何これ、宿題?」
ローテーブルに広げたままの、雄哉くんが来るまでの暇つぶしに書いてたプリントを見て、雄哉くんは納得した。
「あっ。進路希望かぁ!」
そう。
3年生にもなると、担任も何かとその話題を出してくる。
しかも、こんな時期にまだ進路がはっきり決まってないあたしは、進路希望のプリントを特別に渡し直されたのだった。
「進路、まだ決まってなくて…」
言いながら、あたしもリビングのほうへ行って雄哉くんの隣に座った。