―――ガチャッ。


迷わずドアを開ける音がした。



あたしも、音がした玄関へと駆けていく。



「おかえり!」


「笑佳っ。
ごめん、待った?」


「ううん」



さっきまで、学校で絵梨たちとの話題の中心だった張本人が、あたしを愛しそうに抱きしめてくれる。


会いたかったって、伝わってくる。




…それは、自惚れすぎかな?




「雄哉くん…」




会いたかったって、ほんとにそう思ってるのは、あたしのほうなんだ。




雄哉くんのお仕事は相変わらず忙しくて、


まともに1日オフだった日は、何週間前のことだっけ?