ゆっくり目を開け、恐る恐る上を見る。


悠斗先輩の大きな手が、私の髪をちょっと乱暴に触っていた。



「言っとっけど、俺は里緒の応援めちゃくちゃ嬉しいぞ。」

「………本当?」

「なんだよ、疑ってんのか?」

「だって…。」


言いかけたと同時に、悠斗先輩が喋りだす。


「里緒が応援してくれるって思うと、頑張ろうって気になるんだ。俺には里緒の言葉って、魔法の言葉なんだよ。」


“魔法の言葉”

それって本当?
そんなコト言われたら、私自惚れちゃうよ?


それじゃあ、悠斗先輩は私の魔法使いだね。

先輩を見てると、私の心忙しいんだから。
ドキドキしたり、しゅんとしたり…。


私の心は、悠斗先輩に操られてる。