「だってあの男の子の目、遼と一緒なんだもん。」

「俺と?」

「そっ。遼があたしを見つめる目とおんなじ。あたし達も帰ろ?」



実沙希が俺の手をとり、教室を後にする。





―――――――………。


「遼くんどうしたの?考え事?」



里緒が俺を見上げながら言う。

里緒の目を見て、幸せが込み上げてくる。
里緒。
愛しい人。


「なんでもない。ただ、今すんげー幸せだなぁって。」



あのトキの女の子は、今どうしているのだろう。
愛しい人の隣にいて、幸せでありますように…。




                    fin.