俺は場の空気を変えるため、あの話題を持ち出した。



「なぁ、元カノとはどうなったんだ?」

「え?」

「1年んトキによく言ってただろ?忘れられないって。」

「あぁ…。」

「なぁ、敦史。思い切って伝えてみれば?言わなきゃはじまんねーし。案外向こうも、敦史のコト思ってんじゃねーの?」

「………そうだな。」




お前みたいないいヤツのコト、きっと簡単に忘れてなんかないよ。
元カノと上手くいってほしい。
幸せそうな2人の笑顔を俺に見せて欲しい。



「そろそろ行くわ。」


敦史が教室を出るため、俺の前から離れた。
ドアのトコロで立ち止まり、俺のほうを見ないで言ったんだ。


「遼…、俺ちゃんと言うから。」

「おう。」



敦史がどんな顔をしてこの言葉を言ったのか、このトキの俺は想像も出来なかったんだ…。