いったん三人は隊舎に入り、会議室に集まった。


「マジでやるんスか?」


浩也はプリンのカップを机に並べながら、訝しげに常磐を見た。


「やらないと街が消えるんだろ? ふざけた話だぜ」


いや、今のアンタが一番ふざけてる。と思いながら浩也は、鈴カステラを口に含みながらプリンのカップを眺める常磐を見る。


「うん、よしよし。書いてるな」


常磐はカップに書かれた原材料の部分を見ながら、満足そうに頷いた。


「本気なんですか? 僕達で、北国の白いプリンを作るって…」

「だからマジだって…」


カノヤの心配そうな言葉に、常磐はうんざりしたように答える。

常磐はカップを持ち上げ、原材料の所を指差した。


「お前等も知ってるとは思うが、ここの一番最初に書かれている原料が一番多く含まれてる。つーことは、それから順番に材料を混ぜてけば、それっぽいものが出来るわけだ」

「それはわかりますけど…」


分量まで正しく載っている訳ではない。

それを考えると、一から作るのは難しいと思われた。のだが。


「俺は駄菓子屋やってんだ。これくらいなんとでもならァ」

「駄菓子屋関係有るのォォ!?」


常磐の言葉に、他の二人は白目をむいた。