そうだった、彼らに頭を下げられ、渋々頷いたんだった。


───って!!


おかしいでしょ、この状況!!



仕方なく人質になることを承諾したのは良いが、愛護と向かい合わせで、しかもこちら側の奴らは愛護を襲撃する気満々だ。

このまま戦闘が勃発すれば、流れ弾が当たる可能性も出てきてしまう。


───そんなの、嫌だァァァ!!


こんな場所で、こんな形で人生にピリオドを打つなんて、絶対に嫌だ、カノヤはそう思いながら、大きなグリーンの瞳を潤ませた。


『君達、今直ぐこんなことは止めなさい。こんなことをしても、君達に何のメリットも無いはずだ。私達も無闇に人を傷つけたくはない。さあ、武器を捨て、降伏しろ』

「ふざけるなァァァ!!」


拡声器を使って説得を試みるのは、確か特別刑務部隊の三席・浦賀浩也だ。

しかし、穹人の大ブーイングを受け、隣の隊員から肩を叩かれている。


──才能無いな、あの人…


カノヤ、辛口評価。