──洒落になんないよ、この状況……!


カノヤはガタガタと体を震わせながら、背中を伝う冷たい汗に顔を青ざめさせた。

この暴動は、人間に対しての恨み辛みを色々ぶつける物で、テロまがいな感じだ。


「今すぐ人間はこの星から消えろ!居なくなれ!」

「「「居なくなれェェェ!!」」」


カノヤは彼らの気持ちがわからなくも無いため、何だか複雑な気分だった。


そもそも、何で自分はこんなことになってるんだっけ……?


カノヤは遠い過去のように、その時の状況を振り返った。




カノヤは、駄菓子を仕入れて帰る途中、何やら穹人の集団らしき者を見かけた。

彼らは手に武器を持ち、明らかにこれから戦闘を開始するといった感じの格好をしていたので、あぁこれは早く帰ったほうが良いな、と思ったその時。


「あ、少年!」

「は、はぃぃぃ!」


声を掛けられてしまい、肩を飛び上がらせて返事をした。


「人質になってくれ!」

「………は…?」