紫呉が『?』と言った表情をしながら立っていると、ナイフを振り回して再び向かってきた犯人を、常磐は舌打ちをしながら睨み付けた。


「そんなもん振り回してんじゃねーよ。危ねェだろ」


常磐はそう言うと、犯人の手を受け止め、ナイフを奪い取り、紫呉に向けて投げ付けた。

紫呉は「何をするΣΣ!!」と言いながらも、見事人差し指と中指の間で挟み、ナイフを受け止めた。


「銀行にはな、皆が一生懸命働いて、安い給料を取りに来るサラリーマンとか、唯一の収入である年金を取りに来たりするご老人が来るんだよ。
今日が給料日だから狙ったんだろ?皆金を下ろすだろうから、そこを狙ったんだろうが?」


犯人の胸ぐらを掴み上げ、常磐は問う。

犯人は顔を草の色にして、震えながら頷いた。

すると、常磐の目が不気味に輝き、怒りに身を任せて叫んだ。


「ふざけてんじゃねェやアホんだらァァァァ!!!!」


そしてそのまま振りかぶり、犯人を投げ飛ばす。


「また投げた───ΣΣ!!」


カノヤは白目になり、まるで『ガーン( ̄□ ̄;)!!』と効果音が付きそうな表情で言った。