常磐と紫呉はどうやら相性が悪いらしい。

目が合っても睨み合いのようになってしまっている。


「悪いが、うちの麗雨は愛護一だからな。貴様の無能な従業員とは違うのさ」

「てめっ、さり気なくカノヤの事バカにしやがったな、見ろ!傷付いてるだろ!ウチのカノヤだってな、ガキに好かれる理想の店員なんだぞ!」

「………」


そんな二人を白い目で見つめるのは、部下であるカノヤと麗雨だ。


「ふっ、確かに頭は弱いが、実力は本物だ。今回の事件も彼女が犯人全員を取り押さえたんだぞ?」

「はっ、逆に言やあ麗雨ちゃんが居なきゃ何も出来ねェ雑魚の集まりじゃねーか」

「何だと貴様ΣΣ!!」

「あぁ?やんのかお巡りさんよォ?」

「ちょっ、二人ともやめてください!」


見兼ねたカノヤが止めに入る。

麗雨は面倒なのか、見てみぬ振りをしながら浩也から貰った絆創膏を頬に貼りつけた。

その時、


「うっっ!!」


呻き声が背後から聞こえた。