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「どこ見て歩いてんだ、テメェは!偽民の分際で良い度胸だなコラ!」

「ヒィ、ごめんなさィィ!」


──何でこんなことになったのだろう。


人間に怒鳴られながら、偽民の少年・カノヤは唇を結んだ。

20年以上前、地球という星からやってきた人間が、自分達を……武力によって支配し、この星を我が物顔で練り歩いている。


──こんなの、おかしいよ…


情けなく頭を下げ、謝罪しながら小走りでその場を去りながら、カノヤは涙を浮かべた。


カノヤは、先ほど働いていたコンビニを解雇されたばかりだった。

人間との戦いで両親を亡くし、生活するために身分を偽りコンビニでアルバイトをしていたが、ふとしたことから自分が偽民である事がばれ、その場で辞めさせられてしまったのだ。

ただでさえ少ない給料だ。

貯えがあるとは言え、明日からどうやって生活しようか、とカノヤは思いながら、トボトボと歩いていた。


「新しいバイト、探さなきゃな……」


一人淋しく呟き、歩き疲れて歩みを止めた。

ふと顔を上げると、『駄菓子屋松金』と書かれた、錆付いた古い看板が見えた。


「……駄菓子屋………マツガネ……?」

「いらっしゃーい」


カノヤが看板を読むと、店の入り口に立っていた寝癖頭の男が、気の抜けた返事をした。