震える肩を抱いたロイはゆっくり歩きだしていた


着いたのはロイが泊まっている宿だった

「さぁ、リナ嬢ここに座って下さい」


言われたとおり椅子に座る

ロイは何も言わず私をここに連れてきたけど
やっぱり城に連れていくつもりなのかな

だとしたらもう一緒にはいられないんだけど


「リナ嬢が城へ戻らないつもりなら私も戻りません」


「えっ!!」


驚いてロイを見ると真っ直ぐ私を見つめている


「私は、リナ嬢の護衛ですから」


前からロイは私の側にいてくれた
唯一の話し相手だった
でも年はかなり上だし
お父様の僕の一人であるのは変わらない
私の護衛でもほとんど外に出ることがなかった私はいつも一人で部屋にいた


ロイ、お父様を裏切るつもり?きっと私を見つけたにも関わらず連れ戻せなかったら、それなりの処分があるはず。