「リナ嬢、お一人で何処へいかれるつもりですか」


「…ロイ」


俯く私の顔を心配そうに覗き込むロイ
でも、視線を合わせることができずただ地面ばかり見ていた

「一緒に、城へ戻りましょう」

「嫌よ!また閉じ込められるのは嫌ッ」


自由がないあの孤独な空間、意見など聞いてくれる人もいない。お父様の言うことだけおとなしく聞いていることしかできない。


「リナ嬢、みな心配しています」


「誰も心配なんかしてないわ」


ぐっと足に力が入る
そう、誰も心配なんかしてない。ケイも…
そしてバンリも。


下を見ているせいか涙が地面にポタポタ落ちる


悔しい………
何もできない自分が惨めだった