なんとなく育ちが良さそうなのは気づいていたが
まさか、王族とは思ってもみなかった。


「私の父はラブアディ国の国王よ。」


リナの一言にバンリは目の色を変えた。

「なんだと…」

「バンリ、落ち着け」

ケイがバンリの様子に気づき声をかけるが
どうしようもなかった

「黙っててごめんなさい。でも言えなかった。ずっと隠してるつもりだったの」


俯くリナを切なそうにケイは見ていた

それ以上リナは何も言わなかった。
バンリもただ前を睨みながら何も言わない

どれくらいたったか
無言のまま時間だけ過ぎていったが
バンリが立ち上がり店をでた

リナがはっと顔を上げ黙って店を出ていくバンリを目でおう

どうすることもできず
そのまま手で顔を覆った。

「リナ、俺達もいこ」


ケイがリナを支えながら立ち上がらせ優しく涙をすくう

「ケイ、どうしよう。バンリ、もう私を嫌いになったよね」


ケイを見上げ、大きな瞳からポロポロこぼれる涙


「大丈夫だよ、リナは何も心配しないで」

リナの頬を両手で優しく包み込み笑いかけた