ケイが向かった先は街の外れにある酒場

中は薄暗く人気がなかった

一番奥のカウンター席にバンリがいる

｢バンリくん、やらかしたね〜｣

ニヤニヤ笑いながらバンリの肩をバシバシ叩くケイ

｢マジ、いてーし｣

よく見ると口元が切れて血が出ている

｢そんなｯｯバンリ大丈夫?!｣

顔を真っ青にしてバンリに近づくリナに大袈裟に痛がるフリをするバンリ

｢もうｯｯふざけないでよ、ほんとに心配してるんだから｣

安心してバンリの隣に座った

｢で、あいつ何なの｣

｢…………｣

｢リナ、大丈夫?｣

黙り込んでしまったリナがケイは心配だった


｢彼は、ロイは私の世話役だったの｣

｢世話役?!｣

リナの一言に驚きを隠せない。世話役は一般的に庶民にはつくわけもなく、貴族や王族につくものだからだ。

(リナはどこかの裕福な家庭で育ったのか？！)