「おまえら、ほんと毎日なにやってんだよ」


「バンリー聞いてよ、リナってドラゴン初めて見たらしいよ」


嬉しそうにケイはドラゴンを頭の上まで持ちあげて私に近づけてきた


「や、やめてよ」


初めて見る奇妙な生き物に私は怯えた


「そりゃ、珍しいな」


ケイを止めようともせず冷静にバンリは嫌がる私を見る


「リナ、ちょっと触ってみ」

「い、いやよ」


笑って私にほらほら、と抱かせようとするケイ

でもさっきからずっと鳴いてるんだもん、噛み付かれそうで恐かった


とっさにバンリの後ろに隠れる

「ケイ、いいかげんにしろ」


「なんでー、だっておもしろいんだもーん。それに怖くなんかないよなぁ」


ケイはドラゴンの頭を指で撫でてやると目を細めて大人しくなった。


バンリがケイの手からドラゴンを抱き上げる


バンリがこんなに優しく触るなんてちょっと意外。

そう思いながら見ていた。


「リナ、大丈夫だから。」

珍しく優しい顔でバンリが私を呼んだ


ゆっくりバンリに近づいて隣に座るとさっきまで激しく鳴いていたドラゴンはバンリの腕の中で気持ち良さそうに撫でられていた


「さっすが、バンリは扱い上手だなぁ。なんで大人しくなるんだよ」


感心したようにケイが笑う

「リナ、触ってみな」


バンリがそう言って少し私に近づける


そっと背中のほうを指で撫でるとザラッとした皮膚だった。


「ケイ、どうしたんだよ、これ」


「んー、拾ったの」


舌を出して茶目っ気たっぷりにケイが笑う。


「どうするのよ、これ」


バンリの腕の中で目をつぶってる姿を見ながら聞く


「まぁ、捨てるわけにいかないしな」


優しい表情でドラゴンを抱くバンリ


ケイは密かにガッツポーズで


まだこの生き物に慣れない私はこれからずっと一緒かと思うと溜息がこぼれた。