私が逃げても当然のようにケイは追い掛けてくる
両手にヤツを抱えながら。

サイッテー!ばかケイ!
しんぢゃえ


必死で逃げるけど、うしろからはピャーピャーと恐ろしい鳴き声。


もうヤダー
半泣き状態のまま走りつづけた


突然ドアが開いたけど急には止まれない私はそのままドアのほうへ吸い込まれた

「おっ、と」


バンリが私を片手で止めた
思いきりバンリの胸に抱きしめられる

「ギャッ」

一瞬の出来事で心臓が止まりそうになった


「…色気ねぇな」


「なッッ、それどころじゃないってのよ、まったく」


バンリが冷ややかに私を見下ろすからなんだか恥ずかしくなる

バンリの腕から離れると後ろからバタバタとケイが走ってきた