先程まで彼に対して抱いていた怒りは、今やインターホンに映る男へと向けられた。 ピンポーン―― チャイムの合図と同時に、画面下にあるボタンを押した。 「…どちら様ですか」 ぶっきらぼうな私。 そんな私とは対照的に、明るい声で男は言った… 「貴女に笑顔を持ってきました」 -