「何見るの?」
「………ホラー」
あたしはホラー、大の苦手……
「あたし帰るわ!」
くるっと回れ右をして、あたしは歩きだす。
焦って追い掛ける大河。
「嘘、うそ!!」
「サイッテー…」
あたしは意地悪にそういう。
「ごめんって!
サスペンスコメディ!!」
「ホントに…?」
「ホント、本当に!!」
わざとため息をこぼして、あたしは言った。
「チケット、おごりね~」
笑いをこらえて、それこそ吹き出しそうになりながら……
「わかった!だから一緒に見よ?」
……………
子犬か!!!
「いーよ!」
なんだか大河が可愛くて、おもしろかった。