キルシュとハルトはラウトが何故謝るのかと疑問に思いました。

魔物が多いのは確かに不満ではありましたが、

その多さの原因がラウトにあるという根拠は何処にもなかったからです。


「何で? ラウトが謝る理由なんてこれっぽっちもないじゃない!」
「………………」


キルシュの言葉にハルトは首を縦に1度振りました。

ラウトはその言葉に有難うと感謝すべきなのか、違うと反論するべきか迷いました。


「魔物と戦えば、それなりに力も付く。悪い事ばかりではないさ」


もうこれ以上の実力を付けてどうするんだ、

と思いながらも今のラウトにはこのハルトの言葉には救われる物がありました。