翌日、関羽が街を歩いていると、馬に乗った県令が何やら町人と揉めていた。

「お許しください県令様!今月払えない分の税は必ずや来月まとめて払います!どうか、娘だけはご勘弁下さい。妻に先立たれ、最早娘だけが生き甲斐なのです!」

見ると県令の周りには五人程護衛がおり、一人は二十歳ぐらいの娘を抱きかかえていた。娘は必死に抵抗している様だが、無駄な抵抗の様である。

恐らく税が払えないので代わりに娘を貰っていくという事だろう。父親が県令に土下座をして許しをこうているが、そんな事を聞き入れる男ではない。

「そんな事を言って翌月にはのたれ死んでいた、という奴は何人もいたぞ。税が払えないと言うから貴様の娘の体で許してやろうと言うのじゃ。何の不満がある!」

「それでは余りにむご過ぎます!皆食う物が無い中で何とか収めているというのに。」

「黙れい!貴様の様な奴がいるから風紀が乱れるのだ!おい!もういい!みせしめとしてこの爺をこの場で殺せ!」