「おう。じゃ今日夕飯いいやっ」


「えーっ今日カレーにしようと思ってたのに」


あたしはちょっと拗ねてさっきの零のまねをしてみた。
そしたら、何故か零が慌てて

「じゃっ今日は早く帰ってくるから、カレー作ってっ」

って言ってきた。
だから、笑って

「うそっ!あたしが誠也くんに怒られちゃうもん。カレー作るよ。明日2人で食べよ?」


って言った。
カレーは一晩おいた方がおいしくなるってどっかの番組でも言ってたし。
あれ?
一晩煮込むだったかな?
でも、そんな事したら寝不足になっちゃうし。
かきまぜるのなかったら焦げちゃうしなぁ

「おーい、詩織?」


手を目の前で振られてこっちに戻ってこれたみたいだ。

「ちょっと考え事してた」

ほんとは考え事じゃなくて妄想って感じだけど。


「うん。慣れてるもん」

目を細めて笑う零は弟だけど、かっこいいと思う。
少なくとも友達に羨ましく思われるくらい。


片側の前髪をピンでとめてて、その髪は金髪。
首にはごついネックレスをつけてる零は話し方は優しいけど、見た目は本物の不良。