木口くんは、



「オレが染めたんだよ、文句あるか?」



と、タマちゃんに言い、

タマちゃんはタマちゃんで、



「だったらもっとかわいい色にしてあげなよ」



そう言って、

えへへ~と笑っている
ニナちゃんに向き直った。



「ニナ、あんたあほの子に見える」
「えっ、うそ!」


「いつもあほだったね。ごめん」
「たまぁ!」


ぷんぷん!

少女マンガなら
きっとそんな音がつきそう。


なんて、
そんなことやってる二人のそばで、

木口くんは、


自分の毛先をいじくってた。



「平沢、これ、そんなに目立つ?」
「かなり」



正直に言っていいのか、
いつもだったら迷うけど、


こればかりは隠しようがない。



あたしにまで言われたことに
よっぽどショックだったのか


木口くんはすこしだけ落ち込んでた。




だけどすぐに、


「オラ、行くぞ」


ってニナちゃんの腕を引いて、

教室を出ていく。




「ばいばぁーい!」



そう言って手を振る、
ニナちゃんは、



ほんとうに可愛い。




タマちゃんの好きな子も、
タマちゃんの彼氏も、



たぶん竜也も、



初めは、みんな、
ニナちゃん狙いだったぐらい。




「あれで頭良くて非の打ち所がなかったらねぇ」
「…まぁ、あのゆるいところがニナちゃんだし」




まぁ、欠点は多々あったけど、

ニナちゃんは、愛される、


自慢の友達。