笑子という名前が
みんなに"ショコラ"って
呼ばれるようになったのは、
小学校のころのこと。
それは中学に上がるころに
ショコラからチョコになっていて
それで、
小学校からの友達は
みんな、
あたしのことをチョコって呼んでた。
だから、
竜也が、
なんであたしが"チョコ"なのかって
疑問を抱くのは、
おかしな話じゃなかった。
ただ、チョコは
おかしなくらい
あたしに似合っていたらしい。
「チョコレートみたいな匂い、する」
あたしの頭に
鼻をくっつけて、
そう言って笑った竜也は、
結構な女好きだったと思う。
外見的にもわりと恵まれてたし、
家もお金持ちだとか聞いたことがある。
そして、
自分で言うのもなんだけど、
あたしもオシャレには気を遣ってたし、
チョコレートブラウンの髪の毛も
真っ黒ばかりの中では、
かなり目立ってた。
だから、あたしが目を惹いたって、
おかしくはない。
そんなおかしくない出逢いで、
あたしたちは、今も、
今日も、一緒にいる。