「じゃあ、授業はじめますよー」


相変わらず化粧臭い、
そんな国語教師の声に、

あたしたちは席に着いた。


先生は、
そんなあたしたちを見て、

あからさまに嫌そうな顔をした。



こっちだって嫌だよ、
って

言ってやりたかったけど、


そんなこと言ったら
きっと、

國ちゃん先生の授業を

受ける前に、


学校追い出されそう。



あたしは、
大人しく教科書を開いた。



今何やってるのかさえ
まともに理解できていなかった。


そういえばもうすぐ
テストだったなぁ、

って思ったんだけど、


割と頭のいい方だから、
単元さえ覚えちゃえば、


あとは余裕。




先生たちが強く、
あたしに文句を言わない理由の

ひとつが


成績でもあったぐらいだから、


あたしはそこそこ、
いい感じのようだった。


自分では頓着していないから、
解らないけど、


それでも、
タマちゃんよりは少し上で、

ニナちゃんよりは、だいぶ上。



竜也に至っては
くらべないようにしていたいぐらい。



あたしにも
ひとつくらいは


ニナちゃんに勝るところは

あったって

罰は当たらないだろう。