何度、私たちは果てたんだろう…
本当に雅樹は、私を帰さなかった。
体中のキスマークが、
ズキズキと痛む。
目が覚めると、カーテンの隙間から光が差していて、目が眩んだ。
床には散乱した洋服たち。
私は下着を探して手を伸ばす。
そこからふと見えた、雅樹のズボンのポケットから覗く小さな箱。
私は雅樹が眠っているのを確認して、その箱を手に取った。
これは……
私が前に、可愛いて言ってた、
ネックレス?
雅樹、覚えてたの?
そうだ。この店は、楠本さんの新しいサロンの通りにある。
ああ、そうか。
だから雅樹は気付いたんだね。
そういうば私たち…
昨日、記念日だ…
愚かな私の行動に、
涙が溢れだした。