「少しだけなら。」


そんな言葉、
通用するわけない。


「少しだけなら。」は、
ただのその場しのぎ。


傷つけるとわかっていて


私は自ら選んだんだ。


傷つけると
わかっていて……









放課後。
雅樹に、メールをした。


『用が出来たから、時間遅らせてもいい?』


『わかった。また連絡して?』


雅樹はそう答えた。


絶対に追求しない。
理由を問い詰めたり、しない。


雅樹はいつもそうだった。


それは、
「信じてるから。」


私の目を見て、そう言うんだ。