「優也、支騎。隣の部屋に行きなさい。」

黒城さんが言うと二人は部屋を出て行った。

「君は、どこからこの鬼ごっこを

スタートするんだ。」

えっ…。

そんなの全然考えてなかった。

「君が考える場所まで車で運ぶ事ができるんだが。」

私は…。

わたしはどこへ逃げたらいいの…?

私がよく知っている場所…?

それなら…。

「桜公園まで連れて行ってください。」

わたしの大切な思い出がたくさん詰まった、

わたしの良く知っている場所。

「一つ言い忘れていたことがあるんだが。」

黒城さんが言った。

「鬼ごっこをしている4日間の内8回

相手、つまり、君にとっては優也と

支騎の居場所を知ることが出来る。

その時計のダイヤを押してから30秒以内に

時計をいろんな方向に向けると、相手のいる方向の時だけ

光るんだ。

それで相手の居場所を知ることができる。」

この時計、ハイテクなんだ…。