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6月のはじめ頃。

湿ったいやな空気の夜だった。


いつものように仲間たちとクラブで遊んで、


いつものように騒ぎながらクラブを出て、


あてもなく人の流れにまかせ、歩いていたあたし。


目的もなく意味もなく、なんとなく。



まるであたしの生き方そのものだった。



「次どこ行く?」


「久しぶりにあの店行こうよ!」



顔は知ってるけど、それ以外なにも知らない。


そういう仲間たちに囲まれて、あたしは笑っていた。



別におかしくなくても、笑っていた。


作り笑いは、昔から得意だったんだ。



「シキ。幹くんは~?」



妙に頭のてっぺんが盛り上がった、ヘアスタイルの女のコが聞いてきた。