「夕方のうちにラタトゥイユ作ってたんだ。いい匂いでしょ。ナスとかセロリとかあまってたし。夏らしいかなって」
どこか機嫌が良さそうなシキ。
その体を、俺じゃない男に触れさせたのか?
激しくわき上がる嫉妬心に、自分自身驚いた。
俺はいつの間に、こんなにシキに本気になっていたのか。
それともこれはただ、抱いた女を他の男に寝取られたくないという、
つまらない男のプライドなのか。
よくわからないが、無性にイライラした。
じっとしてはいられず、シキの白く細い首筋に触れる。
「先生?」
振り返ろうとしたシキを制し、今度はそこに口づけた。
「ん……」
きつく吸いつき、所有のしるしを赤く刻む。
鈴の首輪をつけたいところだが、これはその代わりだ。