そのあと案外あっさりと、あたしは抱かれた。
暑いと言ってあなたが窓を開けるから、声を殺すのが大変だった。
紺色のカバーがかかった、寝室のベッドの上。
隣りのリビングの電気で、あなたの顔の左半分がよく見えた。
すごくセクシーな顔をしてたね。
「先生……せんせ……」
あなたの首にしがみついて、耳元で何度も呼んだ。
そのたびあたしの中のあなたが反応するのがわかって。
悲しいのに、どうしてかうれしかった。
始めは壊れものを扱うように優しく、丁寧に。
しだいになにかを振り切るように激しく強く、
あなたはあたしを抱いた。
「先生……っ」
「その、先生っての、やめろっ」
怒ったような声に、あたしはうっかり笑いそうになった。