だからあたしは、あなたには会いたくなかったんだよ。
「……24の女でもエンコーって言うの?」
「それは……」
困ったように、あなたは黙りこんだ。
迷ってるんだ。
あたしはすぐにそれに気づいた。
「大人の女がただ、誘ってるんだと思ってほしいんだけど」
「……なんで俺なんだ」
「お兄さん、かっこいいから。抱かれるならやっぱり脂ぎったオジサンより、お兄さんみたいなイイ男の方がいいし」
「俺は……」
「あたしの体、好きにしていいよ。……好きな女を重ねてもいいしね」
広い肩が、ほんの少し揺れた。
でも、あなたはなかなかうなずかなかった。
聖人ぶっているあなたが、あたしは急に憎らしくなった。