あたしの嘘は、まずは年齢からだった。
嘘は堂々とついた方が効果的なんだよ。
「せいぜい20歳くらいかと……。女はすごいな。俺と1つしか変わらないのか」
あたしの嘘を、あなたは簡単に信じた。
だからあたしは嘘をつき続けた。
嘘を、みやぶってほしかったのかもしれない。
「お兄さんの彼女はかなり若いんだ?」
「彼女じゃない。片想いでもない。そういう関係の相手じゃないんだ」
「ふぅん? じゃああたしのこと、泊めてくれない?」
「だからなんで俺の家に……」
「宿代は、あたしの体。1日でも、1週間でも。お兄さんがあたしに飽きるまで、泊めてくれればいいよ」
「なんだそれは……。バカバカしい。俺に援助交際をしろっていうのか」
あなたの目は、あたしを蔑んでいた。