「あ、いいよ。あげる。これビーちゃんにあげるよ。お兄ちゃんと行っておいで。うん。それがいい。あげるよ」

これでビーちゃんが少しでも元気になってくれたら、それはそれで嬉しい事。

良子がチケットをビーちゃんに差し出すとビーちゃんは

「ヨッちゃんもいこー。ビーちゃん、いっしょ、いきたいな」

と笑う。

「ええぇぇぇぇ?だ、だってさ、玉置君いれば二人でいいじゃん?ね、玉置君?」

(私にプールは……やっぱ無理でしょ?……覚えてるよね?)

良子は年期の入りまくったカナヅチである。