《リエちゃんからメール返ってきたぞー(ハートマーク)心配かけたな》

「ってハートマークは止めろー!」

開いたメールに良子はすかさず突っ込んだ。

そしてもう一度メールを眺める。

(玉置君、私が心配してるって思ってわざわざ送ってきてくれたのかなぁ)

確かにちょっとは心配もしたけれど、笑ったのも確かで。

そして何より今、良子はケンジを俺様全開にしてキュンキュンしながら、携帯をポチポチしていた。

(どっか違わないか?私……)

なんだか少し申し訳ない気がしてくる。

だってあんなに落ち込んでいたのだから。

(『元気だしてね』ぐらいのメールは送った方が良かったかも……)

良子はちょっとだけ反省した。

そして謝罪の気持ちも込めて

《よかったね(ハートマーク)》

のメールを送信すると良子は携帯小説家『メガネ』に戻らず、珍しく夏休みの宿題を始めた。