家に着くと良子は戸棚からカップ麺を出し、お湯を注いで買ったばかりの本を開いた。

ラーメンの汁が本に飛ばない様に気をつけて麺を静かにすする。

母がこれを見たら『食べるか読むかどちらかにしなさい!お行儀悪い!』と怒るに違いない。

母の不在にちょこっと感謝して、良子は読むと食べるを同時進行していった。

しばらくしてカップの中がスープだけになると、良子はそれと本を持つと二階の自室にあがった。