予定よりも早めに終わった勉強会の後、良子は暇にまかせて本屋に立ち寄った。

良子は普通の小説を隅からチェックして、最後に『ケータイ小説コーナー』をチェックする。

普通の小説も良子は大好きだ。

けれど、小説と携帯小説は良子にとっては別モノ。

携帯小説は良子の隣で誰かが話しかけてくるような、そんな感覚が好きなのだ。

だから良子は携帯小説の中でも恋愛のジャンルしか読んだ事がない。

友達という友達のいない良子にとって、それは友達とする恋バナの代替品のような物なのかもしれない。

(あ、また新刊が出てるじゃん)

『感動しました』と書かれた帯を巻かれた淡いブルーの本を手に取り、パラパラとページをめくると良子はレジに向かった。