「……相変わらず勉強も出来るのか?」

「……成績は……悪くはない」

実は学年トップである。

でもそれをひけらかす程良子は自慢に思ってるわけでもない。

(どんな質問なんだ?何を企んでいるんだ?)

チラッと勇気を出して視線を送ると、そこには見れば見る程赤い頭。

その赤さといったら……一度見たら忘れないはずだ。

(やっぱ人違いだよ。けど……あっちが引き下がらないのならば、仕方ない。何とか無難にかわそう)

何か言いたげな赤頭を見て、良子はこの場をなんとか切り抜ける決意をした。

「で、ヨッちゃん……相変わらず本の虫か?」

「……う?ん。まぁ」

(本当は妄想の虫だけどね……)

でも今はそんな事はどうでもいいのだ。