「そう思うのか?本当に?」

探る様な玉置の視線が痛い。

「う……うん!!もちろん!玉置君、見かけなんて関係ないよ」

(うがッ!!私の嘘っぱち野郎~)

このセリフ、まるで教育テレビだ。

ずっと『うわー、ヤンキーだ。やだやだ』って見かけで判断してきたのは他ならぬ自分だ。

(なんか、嫌だ。なんか自分がすごく嫌だ……)

急に虚しさが良子を襲った。

「やっぱヨッちゃんは頭いいし、性格いいし……。いい奴だなぁ」

素直な玉置のセリフがさらに良子を追いつめる。

「そんな事ないよ、玉置君」

本当にそんな事ない。