濡れたテーブルと本を適当に拭きながら、良子は手を緩める事なく更なる攻撃に出る。

「真面目そうな人?それともやっぱりヤンキーっぽい──」

「その『やっぱりヤンキー』って何だよ?」

(あ……超失言)

ちょっと素直に思っている事を表現し過ぎた。

玉置仕様に単語を変換するのを忘れた。

「あ、いやぁ……。いや別に、悪意はなくてね?」

「じゃ、お前ヤンキー好きか?」

「う?うん。ヤンキーだっていい人いるもんね」

(いまだかつてヤンキーと呼ばれる人種と、いい人だと思う程深くお付き合いした事なんてないじゃーん)

すかさず自分に突っ込んでしまう良子。