(野生動物の鋭さ、侮れねぇ!!ヤバいッ。バレる)

探るように顔を覗き込まれて、良子の顔は更に赤くなる。

誰にも見せたことのない自分のちょっと恥ずかしい部分がこのままいくとバレてしまう。

そこで良子は脳ミソをブルンブルンと瞬時に回転させた。

そして結論に至る。

これしかないだろう。

そう。

攻撃こそ最大の防御なり。

「じゃあ……た、玉置君はなんで勉強してんの?」

「う?うぇい?!」

玉置が変な声をあげた。

(フッ。勝ったな……。一気にここを攻撃するしかない!)

良子は確信し、一気にたたみかける。

「急に勉強したくなったの?なんで?なんで、なんで?」

沈黙する玉置を見ながら、勝利にほくそ笑む良子。