「うぇ?……う、うん」

「ずいぶん真剣な顔して読んでるからさぁ。そんな面白い?なんで普通の小説じゃダメなわけ?」

「いやぁ──」

(い、言えないよぅ!)

友達と恋バナをするような疑似体験が出来るからとか、妄想出来るからとか、胸がキュンキュンするからとか。

(がぁぁぁぁ!言えないッ!)

「え?まさか携帯小説って……やらしいのか?」

軽くパニクって赤くなった良子を玉置が見事に誤解する。

「ち、違うってばぁ!」

「……なーんだ」

「『なーんだ』って何よ?」

「……別に。けど、なんか……隠してねぇ?」