そして妻夫木が『お前を愛してる……』って言い残して、お決まりのパターン。

(い、嫌だぁ!死んじゃ嫌だぁ!!)

悲しいけど、やっぱり死ぬなら共に死のうじゃないか。

(……キュンキュンじゃーん)

しばらくニンマリして、妄想が落ち着いたところで良子は次の本を取りに行こうと席を立った。

携帯小説はすぐに読み終わってしまうところが欠点だ。

(あぁ……)

妻夫木のあの大人な瞳に見つめられたらそれだけで死ぬな、と余韻に浸りながら目的の本棚を目指す。

大河ドラマの影響を受けまくり、高校三年の夏を妄想妻夫木と過ごす女、相澤良子。